03/08/2022

あなたの会社のオムニチャネル度は?

オムニチャネルとは、多様なコミュニケーションと販売チャネルを統合的に利用し、ネットワーク化することです。しかし多くの企業では、組織が依然としてサイロ化状態にあるため、そこで最も悪い影響を受けているものがまさに、「顧客体験」です。

オムニチャネルによる顧客体験の目的は、顧客が好きな時に任意のチャネルで過去のインタラクションにアクセスできることでしょう。これにはどんな意味があるのでしょうか。その答えを知るために、最適なオムニチャネル体験の一例を詳しく見てみましょう:

ジュリアは新しいアパートに引っ越してきたばかりで、新しいソファーを探しています。彼女は緑のベルベットのソファーを思い浮かべ、検索エンジンに「緑のベルベットソファー」と入力しました。ジオターゲティング広告により、彼女の新居に配達してくれるオンラインショップや近隣の小売店から様々なオファーを見つけることができました。ジュリアは一通りクリックして確認しましたが、すぐには決めませんでした。ところが、彼女のFacebookにはその後1週間にわたり、リターゲティング広告によるソファーの広告がランダムに繰り返し表示されるようになりました。数日後、彼女は一つのバナーをクリックし、家具のオンラインストアにたどり着きました。しかし、そのストアでは目当てのソファーに青色しかないことに気づきました。そこで、彼女はライブチャットで問い合わせをしたところ、カスタマーサービスの担当者から良い返事がありました。ジュリアの住んでいる町の店舗には、まだ緑の在庫があるというのです。カスタマーセンターの女性がジュリアのためにその家具を予約し、彼女は数日後にそれを受け取ることができました。

ジュリアのカスタマージャーニーは、すべてのチャネルで完璧に機能しましたが、これはまだ一般的ではありません。多くの企業では、異なるチャネル間の連携を拡大できる可能性があるからです。ジュリアのショッピング体験においても、以下の点においてうまくいかなかった可能性があります:

• Facebook 上のリターゲティング広告がウェブサイトへのリンクではなく、何も購入することができない Facebook ページへのリンクになっている。
• ライブ チャットの担当者は通常、在庫確認のアクセス権限を持っていないため、在庫情報を提供することができない。
• ソファーの予約情報がカスタマーサービスと店舗の間で連携されず、ジュリアが店舗に到着したとき、最後のソファーの在庫がなくなってしまう。

多くのブランドは、自分たちは素晴らしいオムニチャネル体験を提供しているはずだ、と考えていますが、クロスチャネルを完璧に理解し、実践しているブランドははごくわずかです。しかし、企業内の様々な部門が相互に連携していなければ、結果的に断片的な顧客体験を提供することにつながってしまいます。では、企業はどのような点を改善すればよいでしょうか?

責任とは本来、相互に関連するものである
多くの企業では、CEOだけが全体を把握することができるでしょう。CEOの一段下に、小売、オンラインビジネス、マーケティング、そして、カスタマーセンターの責任者がいるケースが多く見られます。そこに欠けているのは、それらをつなぐ役割の人です。各自が自分のチャネルのみに集中してしまうと、協力しようという考えより、社内競争の方が大きくなってしまうからです。顧客体験プログラムにおいても同様です。個々のチャネルの体験を測定するのではなく、クロスチャネルのプログラムを設定した方が良いでしょう。そのためには前提として、守るべきいくつかの基本的なルールがあります。

1. 脱サイロ化!
企業ビジョンにより、すべての従業員や部門を通して認識されるすべてのチャネルを監視することが理想的です。予算についても同様です。CXプログラムの費用を負担する様々な部門と交渉するより、各部門が独自の予算を確保することが重要です。

2. 経路を知る
ほとんどのブランドは、複数のチャネルを通した自社のカスタマージャーニーを熟知しています。CXプログラムを実施する前に、多様なカスタマージャーニーを記録しておくことが大切です。Instagramから始まり、ウェブショップを経由してステーショナリーのストアに至る旅なのでしょうか。それとも、最初からウェブショップを閲覧してオンラインショッピングをするのでしょうか。様々な選択肢を把握しているからこそ、それらを測定することができるのです。

3. フィードバックの受け入れと実行
CXプログラムの初回の結果により顧客の不満が明らかになり始めたら、根本原因を特定し、問題を解決して顧客体験を向上させるための解決策を見出すことが重要です。

4. 全体への貢献度に応じた報酬
すべてのチャネルで良い結果を出すには、個々のチャネルのパフォーマンスではなく、オムニチャネルのパフォーマンスに基づいて、チームにインセンティブを与えることに意味があります。各自が全体像を把握し、共通の目標に向かって励むことができるようになるでしょう。

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